糖尿病の男性はEDになりやすいか?治療の進め方に違いはある?
糖尿病の人は、EDになりやすいです。糖尿病の合併症とも言われています。
それは、なぜでしょうか?
EDは糖尿病などの血行障害から起きる病気だからです。
それを理解するために、その勃起不全の仕組みを理解しておくと便利です。
ペニスの仕組み
誤解されやすいことですが、ペニスには筋肉はありません。
そのため筋肉で勃起しているのではありません。そのかわり、男性の脳は性的な刺激を受けると興奮し、脳が神経系統に命令を出してペニスに勢い良く血液を流しこみます。
その結果、ペニスが血液でパンパンになった状態が勃起の状態です。
ところで、もし何らかの原因で血管が硬化してしまう動脈硬化が起こると、血液が流れにくくなり、ペニスに勢いよく血液を送り込むことができなくなります。その結果、勃起力に障害が起こりますが、それがEDになる仕組みです。
糖尿病との関係
一方、糖尿病は、動脈硬化を引き起こす代表的な病気の一つです。
この病気は、糖分が血液の中に大量にあふれ出てしまう病気です。すると、血管の中は常に糖分でどろどろになっているために血液が流れにくくなり、次第に動脈硬化を引き起こします。そのため、この病気の患者さんはEDになりやすいのです。
また、こうなると、神経系統に異常をきたすことがあります。
なぜなら、血管は各細胞に栄養を送っているのですが、動脈硬化をひき起こすと、その先の細胞に栄養を十分に送ることができなくなます。
その結果、栄養分がなくなり苦しくなった細胞が異常な信号を発します。
それが糖尿病が神経系統に影響を及ぼす原因です。神経系統に異常を起こすと、脳からの勃起命令がペニスに伝わりにくくなりますので、当然、勃起障害の原因となります。これらの神経系統の異常が原因でも、糖尿病の男性は特になりやすいです。そのため合併症といえます。
同時に病気を治す必要がある
そこで、糖尿病の人のED治療は、同時に糖尿病を改善しなければなりません。
そのために、通常のものより時間はかかりますが、そうすることで、治療薬を効果的に働かせることができます。
実際にも、バイアグラなどの PDE5 阻害薬の併用は、糖尿の人にも効果が出ています。
具体的には、糖分の数値としてヘモグロビン A1c値を管理しながら、内服の 治療薬を併用します。こうして効果を判定しながら治療をすすめていきます。
このような管理の下で、治療薬が有効に働くことがわかっているために、通常のED改善よりも時間はかかりますが、治療の効果は上がります。